円周角の定理
右の図のように,円のの両端から円周上の点に向かって線を引くと,角ができます。

この角を「弧ABに対する
円周角」といいます。

円周の上の点はいくらでもありますから,一口に「弧ABの円周角」といっても,無数の角があることになります。



左の図の,∠APBと∠AQBは,どちらも弧ABに対する円周角です。

この2つの角を見て,気が付くことはありませんか?

実はこの2つの角,等しくなります。

円周角の定理
  1つの弧ABに対する円周角は,すべて等しくなる。
円周角にはもう一つ,大きな性質があります。

右の図を見てください。

弧ABの両端から,中心に向かって線を引くと角ができますが,この角を「弧ABに対する
中心角」といいます。

同じ弧ABから作った中心角と円周角を比べてみると,何かに気が付きませんか?

大体の見た目で分かるかも知れません。中心角は,円周角の2倍になっているんです。
円周角と中心角
  1つの弧ABに対する円周角は,中心角の半分である。
   x は30°である。(円周角の定理)
  x は88°の半分で,44°である。


弧ABがちょうど円周の半分になると,中心角は直径,つまり180°になる。

だからx は180°の半分で 90°である。
  x は240°の半分で 120°である。
最後に,どうして円周角が中心角の半分になるのか,分かりやすい場合についてだけ簡単に証明しておきましょう。

右の図を見てください。

弧ABに対して,∠APBが円周角,∠AOBが中心角です。

△OAPは二等辺三角形ですから,図の○部分の角は等しいです。だから,外角は○が2個分ということになります。

△OBPも二等辺三角形なので,同じようにして●が2個分の外角ができています。

円周角は○と●が1個ずつ,中心角は○と●が2個ずつですね。

だから,円周角は中心角の半分ということになるのです。