三角関数

 

何を学ぶのか
 「三角比」の分野では,主に三角形の内角について正弦,余弦,正接の3つの関係を学習しました。つまり,対象となる角θは,0°≦θ≦180°に限られていました。

 「三角関数」の分野では,まず取り扱う角θの範囲が大幅に拡張されます。角を,動径と呼ばれる棒が反時計回りにどれくらい回転したかという「回転量」で表現することにより,540°,4800°など,どのような大きな角でも表すことが出来ますし,回転した向きが逆なら「-120°」のような負の角も約束することが出来ます。このような「量としての角」を一般角といい,一般角θに対して正弦,余弦,正接のいろいろな性質を調べていくことになります。

 一般角の考え方により,「y=sinθ」のような関数を考えることが出来るようになります。θは正から負までどんな値でも取れるわけですから,「θ軸」をとることによって,このグラフもかくことが出来ます。このような関数は三角関数と呼ばれます。ただし,グラフをかく際,y軸は実数値をとるのに対し,θ軸は「度数」値をとることになり,統一感がありません。そこで,角度を実数値として表現するために弧度法という方法を導入します。

 この分野では,三角比の「分配法則」とも呼ぶべき加法定理を学習します。非常に公式の多い分野ですが,そのほとんどの公式はこの加法定理を基に作られています。2倍角の公式,半角の公式,和・積変換公式,三角関数の合成がその例です。


何が出来ればよいか
@ 540°,1800°,-60°などの一般角が図示できる。
A 「度数法」を「弧度法」に直せる。(例 30°=π/6)
B y=sinθ,y=cosθ,y=tanθのグラフがかける。
C sinθ=-1/2, cosθ=√3/2 などの式を見て,θがいくらなのかを,単位円から求められる。
D 加法定理をすべて暗記している。
E 2倍角の公式を使うことが出来る。
F 三角関数の合成が出来る。

※この分野が苦手な人は,まず以上の@〜Fが出来るようになってください。


勉強のポイント
 とにもかくにも弧度法(ラジアン)をしっかり理解することと,加法定理をしっかり覚えることの2点に尽きます。
加法定理を覚えた人なら,2倍角の公式は簡単に作ることが出来ます。例えばsin2θはsin(θ+θ)と考えて加法定理で展開してみましょう。あっという間に2倍角の公式が導き出せるはずです。つまり,わざわざ苦労して2倍角の公式を覚える必要はない,ということです。

 この分野では,三角方程式や三角不等式をたくさん解かされます。Cに書いたような,基本的な考え方が出来ない人は苦しむことになります。単位円をしっかり勉強し,図から角度が出せるようになっておきましょう。

 三角方程式や不等式の問題が出たら,いろいろな公式を使ってそれらを変形する必要が出てきますが,その際の変形手順をお教えしましょう。

     1. 式の中に2倍角「2θ」があったら,1倍角「θ」に直す。
     2. 「sin2θ=1-cos2θ」,「cos2θ=1-sin2θ」を利用して,sinならsin,cosならcosに式を統一する。
     3. 1.2.が出来ないときは,三角関数の合成をする。「a sinθ+b cosθ」という式なら出来る。
     4. それでもダメなら,式自体を因数分解する。

 また,「sin(θ+π/4)=1/2」のように,角度部分がかたまりになった方程式も登場します。このような問題では,角度のかたまりをαとでも置いて,式を簡単にしてから解いてみましょう。---

 全体的に,問題はワンパターンです。いくつかの代表的な問題をしっかり勉強すれば必ず出来るようになります。
文系理系問わず必要となる極めて重要な分野ですから,しっかり勉強して,理解するようにしましょう。
関連する予習シート
一般角の三角関数
一般角の三角関数(2)
三角関数のグラフ
三角関数のグラフ(2)
加法定理
2倍角・半角の公式
三角関数の合成
三角関数の和と積の関係
別紙
y=sinθのグラフ
y=cosθのグラフ
y=tanθのグラフ
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予習シート