個数の処理

 

何を学ぶのか
 ある事柄について,起こりうる全ての場合を数え上げるとき,その総数をその事柄が起こる場合の数といいます。例えば「1個のサイコロを投げたとき奇数の目が出る」という事柄が起こる場合の数は「3」です。いろいろな事柄の場合の数を数えるのは,時に大変な重労働になります。そこで効率よく数え上げるために,いくつかの方法を用いなければなりません。

 よく利用されるのが,樹形図や表を用いて数える方法です。場合の数を求めるときは,事柄を規則正しく,系統的に数え上げる必要がありますから,この方法は大変有効です。しかし,「100人の中から3人の代表者を選ぶ」といったような場合は,この方法でも大変な作業になります。もっと効率よく,少ない労力で数え上げる方法が必要です。

 この分野ではなるべく1つ1つ場合を拾っていくという地道な作業に頼らず,計算によって場合の数を求めていくことを目標にしています。場合の数を数えるとき,相手にしている事柄には「いくつかの中から選ぶ」「並べる」といった操作が含まれいることが多いです。特に,「n個の中からr個選ぶ」とか「n個の中からr個選んで並べる」という操作の場合は,ある操作で簡単に計算することができます。これらは「
nr」,「nr」と表され,それぞれ「組合せの場合の数」,「順列の場合の数」と呼ばれます。

 A:「26個のアルファベットから3つ選ぶ」という事柄と,B:「26個のアルファベットから3つ選んで単語を作る」という事柄の違いが分かるでしょうか? 例えば「abn」という羅列と「nba」という羅列を考えてみましょう。事柄Aの場合,この2つの羅列は同じものとみなされます。事柄Aでは「a,b,n」という3文字が居てくれればよく,どういう順で並んでいようが問題にしません。しかし,事柄Bの場合,この2つの羅列は違うものと考えます。いくら同じ3文字であっても,その順序が違えば,それは違う単語になってしまうからです。選んできたもの同士に順番をつける必要があるかないかが,「順列」と「組合せ」,つまりnrnrの違いです。

 この章ではいろいろな順列,組合せの数え上げの計算を練習します。順列や組合せの中にも「円順列」,「重複順列」といった特殊なものがあり,それぞれに計算の仕方が異なります。

 組合せの応用として,多項式の展開についての「二項定理」というものを学習します。この定理によって(x+y)9のような,大きな指数の展開も可能になります。
何が出来ればよいか
@ 順列と組合せの違いを理解する。
A !(階乗),nrnrの計算ができるようになる。
B 円順列の仕組みを理解する。
C 重複順列の仕組みを理解する。
D 同じものを含む順列の仕組みを理解する。
E 公式にはない,パターン問題を理解する。
    ・約数の個数を求める問題
    ・物を横一列に並べる問題
    ・人を円卓に並べる問題
    ・辞書式配列問題
    ・格子状の道の最短経路についての問題
    ・人をA,B,C,・・・の部屋に分ける問題(組分け問題)
F 
二項定理を用いて,展開式の係数が出せるようになる。

※この分野が苦手な人は,まず以上の@〜Fが出来るようになってください。

勉強のポイント
 次に学習する「確率」という分野では,ここで学習する内容をフル活用しますので,是が非でも出来るようになっておきたい分野です。

 何といっても一番つまづきやすいのが,「PとCは何が違うんだ?」ということです。例えば「クラスの40人の中から委員長,副委員長,書記を決める」場合はPを使い,「10色のあめ玉の中から3個をもらう」場合はCを使います。使い分ける際の見分け方があるのですが,分かるでしょうか。この違いをしっかり理解しなければ,PとCを使いこなすことはできません。(このページ内に,見分け方は書いてあります。上の方のご再読を・・・)

 とはいえ,この分野では実にさまざまなタイプの問題が登場しますので,全てが単純にPとCだけで計算できるわけではありません。場合によっては樹形図を書かなければいけないし,PとCを組み合わせなければいけないし,もっと別の計算が必要かもしれません。いろいろな発想が必要なため,非常に頭を使う分野です。せめて上のEに挙げたような,パターンのはっきりした問題については十分に練習しておきたいものです。

 二項定理は非常に複雑で,覚え辛い公式です。この先思いがけないところでちょくちょく登場しますが,その頃にはすっかり忘れていると思います。(笑) 
その度に何度も確認をし,少しずつ覚えていくしかありません。
関連する予習シート
場合の数
順列(1)
順列(2)
いろいろな順列
組合せ
組合せ(2)
の性質,同じものを含む順列
「TEX」ファイルの利用にはパッケージが必要です。
予習シート