図形の性質(平面図形)

1.何を学ぶのか

「集合と論理」という分野が数学論理の基礎なら,この「平面図形」という分野は図形問題の基礎であるといえるでしょう。これから学習を進めていく上で必要な図形的知識はこの分野で学習することになります。

 図形を構成する要素としての点や直線の性質から始まり,多角形の基本単位である三角形の性質を深く学習します。三角形の角の性質,3辺の性質,三角形の5心(重心,内心,外心,垂心,傍心)について,さまざまな定義や性質が登場します。(参考)※傍心は学習しないかもしれません。

 図形の基本単位としてもう1つ欠かせないのがです。円について成り立つ性質は非常に多く,その中でも円周角の定理方べきの定理の2つは重要です。円周角の定理とは,図の左側の円において,∠A,∠B,∠Cが全て等しくなる,というもので,方べきの定理とは図の右側の円において,ABの長さ×ACの長さが全て同じ値になるというものです。いずれの定理も不思議な感じがするほど美しい定理です。
 この分野で取り組む問題の多くは,円と三角形,あるいは円と四角形が同時に描かれた図形において,長さや角度を求めるものです。さまざまな定理,公式が登場しますので,それらをフルに活用して,問題に取り組んでみてください。

2.何ができればよいか

① 必要な定理,性質を覚える。
    ・角の2等分線の定理
    ・三角形の成立条件
    ・重心,内心,外心の定義と性質
    ・円周角の定理,円に内接する四角形,三角形の定理
    ・方べきの定理
    ・2円の位置関係と,半径(r),中心間の距離(d)の性質
    ・チェバの定理・メネラウスの定理
② 与えられた図形の中から,必要な三角形,辺の比,角度などを読み取る練習。
③ 自分で丁寧に図をかく練習。

※この分野が苦手な人は,まず以上の①~③が出来るようになってください。

3.勉強のポイント

 数学では,一般に認知された特別有意義な性質のことを定理といいますが,この分野では多くの定理が登場します。教科書にも意識して「定理」という言葉が使ってあると思います。ここで学習する定理は全て,この先の図形関係の学習で当たり前のように使うものばかりです。くれぐれもしっかり理解しておきましょう。