空間のベクトル

 

何を学ぶのか
 ここでいう空間とは,いわゆる3次元空間のことです。空間上の点の位置を示すのに,縦,横,高さの3つの方向が必要な世界です。これまで親しんできたxy座標平面は,2次元空間(平面)でした。したがって,この平面上のどんな点も,原点を基準としてx軸方向へa,y軸方向へbだけ進んだ点は(a,b)のように,2つの要素だけで表していましたが,3次元空間では原点を基準としてx軸方向へa,y軸方向へb,そしてz軸方向へcだけ進む,という風に3つの要素が必要になり,その点は(a,b,c)と表現されます。このように空間上の点の位置を示すために,空間座標というものを学習します。空間上の2点間の距離,内分点,外分点なども,平面のときと同様に計算できることになります。
 実は「平面上のベクトル」の章と大きく異なるのは上の空間座標だけです。それ以外のベクトルの性質(加法,減法,実数倍,内積その他の性質)は,すべて同じです。
 したがって,平面上のベクトルの章をしっかりと理解し,空間と平面の座標の違いを分かりさえすれば大丈夫であるといえます。
 少し専門的な話になりますが,ベクトルの性質は,取り扱う次元がどんなに増えても全く変わりません。(→次元を超えるベクトル) 仮に4次元空間や5次元空間,あるいはn次元空間で考えたとしても,座標の要素が増える以外は全く公式が変わらないのです。このことにより,ベクトルは数学における空間の研究に大きな役割を果たしています。
何が出来ればよいか
@ 空間座標を用いて,2点間の距離や内分点を求められる。
A ベクトルの成分計算ができる。・・・(3,2,1)+2(-1,4,0)=? など
B 内積の公式を覚える。
    a・b=|a| |b|cosθ(基本形)
    a・b=a1b1+a2b2+a3b3(成分が分かっているとき)
C 中点,内分,外分,重心の位置ベクトルが求められる。
D 基準点から伸びた2本のベクトルを用いて,他のどんなベクトルも表せる。
 
(以上,平面上のベクトルとほぼ同じ)

※この分野が苦手な人は,まず以上の@〜Dが出来るようになってください。


勉強のポイント
 平面上のベクトルとほとんど同じことを学習するとはいえ,はじめのうちは空間座標の理解に苦しむかもしれません。座標の数字が1個増えるだけだと割り切ってしまえば,そう難しくはないのですが,「yz平面に関して対称な点」とか,「原点を通る直線」などの言葉を聞いたときは,イメージを作るのが大変かもしれません。
 ベクトルに限らず,空間図形になると急に苦手意識を持つ人は多いのですが,そういう人はほとんどの場合,図をかくのが苦手なようです。空間図形は,図がかきにくいため,問題のイメージを上手くつかむことができないのだと思います。図は細かすぎても雑すぎてもいけません。単純な正四面体の問題なのにいちいちx軸,y軸,z軸を正確に書こうとして見づらくなってしまったり,走り書きのようないい加減で小さな図をかいてしまったりしていませんか?
 必要なことを簡潔に,見やすくできる限り大きく,しっかり図をかく練習をしておきたいものです。先生が黒板に書かれる図は参考になりますよ。真似をしながらよい図がかけるようになっていきましょう。
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