確率とは?
 「確率」という単語は数学に限らず,日常的に使われる言葉でもありますね。

 「今日の降水確率は40%です。」
 「2人がこの世でめぐり合う確率は限りなく0に近い」
 「宝くじが当たる確率はとても低い」

などのように,いまさら説明するまでもない言葉かも知れません。

確率とは「
事柄の起こりやすさ」のことです。

「宝くじで3億円が当たる確率」といった場合は,「宝くじで3億円当たるという出来事の起こりやすさ」という意味になります。

「起こりやすさ」というのはとてもあいまいな発想ですよね。なぜなら,世の中の出来事は偶然に支配されるものが多いからです。

例えば2つの野球チームが試合をして,どちらが勝つかなんて分かりません。

コインを投げて,表と裏のどちらが出るかなんて分かりません。

ただ,「どちらが勝ちやすいか」「どちらが出やすいか」の予想はできそうじゃないですか?

野球チームにも強さがありますから,日頃の練習や試合での結果を元に,「きっとAチームの方が勝つ可能性が高いだろう」と予想することはできそうですし,よほど特殊なコインでもない限り,表と裏は「同じくらいの可能性で出そうだなァ」と予想はできそうです。

起こりやすい出来事は「
確率が高い」といい,起こりにくい出来事は「確率が低い」といいます。
確率は数値で表されることが多く,確率40%,確率80%というように表現したりします。
確率を数値で表すことによって,出来事の起こりやすさというあいまいなものを,目に見えるはっきりとした物差しで測ることができるようになるわけです。

では,確率はどのように計算すればよいのでしょうか?

一番簡単なのは,コインやサイコロです。

コインを投げて起こりうる出来事は,「表が出る」か「裏が出る」かの2通りです。どちらの起こりやすさも同じでしょうから,「表が出る」確率は2回に1回,つまり1/2で50%となります。

サイコロを投げて起こりうる出来事は「1が出る」「2が出る」「3が出る」「4が出る」「5が出る」「6が出る」の6通りです。どの起こりやすさも同じでしょうから,「1が出る」確率は6回に1回,つまり1/6で16.7%となります。

このように,起こりやすさが同じな出来事ばかり集まった確率なら簡単なのですが,そうでないものは大変です。

「画鋲を投げて,針が上を向く確率」なんてのは大変ですよ。

起こりうる出来事は「針が上を向く」「針が下を向く」の2通りですが,だからといって針が上を向く確率が2回に1回で50%,なんていわれても信用できません。何だか針が上を向くことの方が多そう・・・

このような場合には,実際に何度も投げてみて記録をとる,という方法があります。100回投げて72回出た,1000回投げたら684回出た,10000回投げたら6541回出た・・・という風に何度も何度も実験をしてみれば,「大体65%くらい」という予想ができそうでしょう?

天気予報なんかも,この計算方法に基づいています。過去何十年かのデータと,天気図のパターンを調べて,「このような天気図になったことが過去450回あったが,そのうち90回が雨だった」,つまり確率は90/450で20%,という風に出しているわけです。(かなり乱暴な説明ですけど)

実験がなくても求められる確率を「数学的な確率」,実験しなければ分からない確率を「実験的な確率」といい,数学が相手にしているのは主に前者の方です。

確率は数学者が作ったものではありません。

確率を作ったのは中世の貴族だといわれています。トランプやゲームなどの賭け事に興じるうち,カードの出やすさ,ゲームでの勝ちやすさなどを研究していったのが始まりだそうです。

小難しい話が多い数学の中で,確率には何か不思議な親近感を覚えることが多いのは,こうした遊び心が背景にあるからかも知れませんね。

それにしても,賭け事に勝つために1つの学問まで作り上げてしまうとは・・・

人間の欲深さとは大したものですね。笑