分数の割り算はなぜひっくり返してかけるのか?
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 中学・高校と進んでいくと,あらゆるところで普通に分数の計算は行うわけですが,分数計算の最大の難所といえば,やはり

 分数の割り算

ということになるでしょうね。

 特に,どうして割る数の分数をひっくり返して(逆数を取って)かけるのかが分からない,という方,多いのでは?
 割り算をしているのに,なんでかけ算? しかもひっくり返す!?

 先にお断りしておきますが,分数の割り算を初めて学習する小学校高学年では,算数の授業で相当な時間をかけ,分かりやすい事例や図や教材を使いながら少しずつ,少しずつ,本当に丁寧なカリキュラムの授業が行われます。そして,きちんとした理由を積み上げながら,「ひっくり返してかける」理由が指導されています。

 ただ,つまづく小学生が多いのも事実。
 また,当時の内容を忘れてしまった中高生や大人の方々も多いはず。

 そこで今回は,中学生以上の方だからこそ分かっていただける方法で,分数の割り算の仕組みを説明してみましょう。
 小学校の授業ほど,懇切丁寧というわけにはいきませんので,ご容赦ください。


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 6÷3=2 です。
 5÷2=2.5 です。
 12÷7=1.7142857… です。

 大人になると,割り算は電卓等で計算することが多いので,ついつい答えを小数で出してしまいがちですが,本来,割り算は分数で表現するのが正式な書き方です。

 つまり,

   6÷3= ,   5÷2= ,   12÷7= 12
 

 と答えればOK,ということになります。(もちろん,この後,約分してくださいね)

 ところで,「÷」という記号,世界共通でないことはご存知ですか?

 実は,この記号を使っているのは世界でわずか3か国だけ。(諸説ありますが)
 アメリカ,イギリス,そして日本です。
 世界の大部分の国では,「÷」という記号は使いません。びっくりでしょう?

 では,割り算はどうやって表現しているのかというと,実はそもそも最初から分数で書くんです。

 「6÷3はいくらですか?」と聞くのではなく,
 「 はいくらですか?」とか,「6/3はいくらですか?」と聞かれるんだそうですよ。 
 

 ÷という記号も,分数の形である  ●  を省略したものだと言われていますから, 
 ●
 割り算の根本には分数があるんだ,ということになりますね。

 スミマセン。脱線しました。話を戻します。
 大切なのは,A÷Bは, A と同じである,ということ。
B
 割る数が分母に来る,ということを意識しておいてください。
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 準備をもう一つ。分数の計算では,約分と倍分を行うことができます。



 約分はお分かりだと思います。「倍分」というのは聞き慣れないかもしれませんが,約分の反対で,分子分母に同じ数をかけることを言います。分数は,
同じ数であれば,分子分母にかけたり割ったり自由にできるという性質があります。

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 では,お待たせしました。本題に移ります。 ÷ を例にして説明しましょう。


 まず,「割り算はそもそも分数で表せる」という性質を使います。分数の中に分数があるのは何だか変ですが,ちょっと我慢してください。
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 上側の分数の分母「3」と,下側の分数の分母「7」を一気に消してしまいたいので,最小公倍数21をかけます。どうして21なのかピンとこない人は,3と7で通分するときは21にしますよね。あれと同じ発想です。
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 すると,上側と下側で約分ができ,分母「3」と分母「7が」消えます。これで,「分数の中に分数」という,変な状態が解消されます。
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 残った式の,下側をかける順番を逆にすると,一番初めの割り算が,ひっくり返ったかけ算になることが分かります。

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 以上の説明は,私自身が学校で生徒から質問される際,一番生徒たちが「分かった!」と言ってくれた説明方法です。

 ただ,私が説明した相手は中学生や高校生ですから,習ったばかりの小学生に説明するのは難しいかもしれません… せめて,ひと通り分数を授業で習い終わった6年生くらいであれば,分かってくれるかもしれません。

 お子さんから質問されて,答えに困っていらっしゃった保護者の方,日々の計算で疑問に思っていた中高生の皆さん,少しでも参考にしていただければ幸いです。


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