微分法とその応用

1.何を学ぶのか

 

「ある点で微分できる」とは「その点で接線が1本引ける」ということです。

 

その点でグラフが千切れていたり,穴が開いていたりしたら接線は引けませんし,その点でグラフがとがっていたら,きちんと1本接線を引くことができません。

 

いわば「微分可能」とは「曲線が滑らか」であること。まず初めにそのための条件を学習します。

 

微分法の基礎は,既に数学Ⅱで学習しています。微分したり,増減表を利用してグラフをかいたりといったことは,数学Ⅲになっても何も変わりません。ただ,相手にする関数が圧倒的に多くなる,ということです。

 

具体的には分数,√,三角関数,指数・対数関数といった,これまで考えてこなかった関数を微分することになります。

 

いろいろな関数が登場します。ルートの中に三角関数が入っていたり,対数関数と三角関数が掛けてあったりと,聞いたこともないような関数がたくさん出てきます。それらを微分し,どのようなグラフになるのかを考えることが,この分野の大きな目標です。

 

グラフをかくとき,これまでと違ったことを2つやります。これまではf'(x)の符号を調べて,増減のみを表にしていましたが,数学Ⅲで出てくるグラフはそれだけの情報ではかけないものがほとんど。

 

より正確な調査のためにf”(x)の符号を調べ,グラフの「凹凸」を調査します。また,グラフが漸近線をもっている場合があり,それを調べるために関数の極限を求めたりします。

 

 

2.何ができればよいか

 

① 公式をしっかり覚え,基本関数の微分ができるようになる。
    ・・・・・・積の微分,商の微分,√,sin,cos,tan,log,ax

② 合成関数の微分を理解する。→合成関数を分解する練習
(例) y=(2x-1)5・・・・・・「X5」と「2x-1」の合成関数
y=log(3x)・・・・・・「logX」と「3x」の合成関数

③ 増減,凹凸表をしっかりかく練習をする。

④ グラフをかく手順を理解する。
→まず微分
→f'(x)=0,f”(x)=0となるxの値を求める。
→増減凹凸の表をかく。
→limをしらべる。


※この分野が苦手な人は,まず以上の①~④が出来るようになってください。

 

 → 公式を覚えたい人はこちら

 

 

3.勉強のポイント

 

とにかく微分ができなければ話になりません。いろいろな式が出てきますが,一番難しいのは合成関数の微分です。式を見たときに,それが「積」なのか,「商」なのか,「合成関数」なのかを判断し,合成関数ならば「何と何の」合成なのかを見破ることができなければなりません。

微分ができるようになったら,後はグラフをかくのみです。いろいろな関数のグラフをかくことがこの章の目標です。問題によっては,グラフをかくだけで30分以上かかるような場合もあり,一筋縄ではいきませんが,グラフがかけなければこの章を勉強した意味がありません。しっかり取り組んでください。