1.何を学ぶのか
「数列とはどこまでも続くもの・・・」というイメージがあるかも知れません。
例えば1,3,5,7,・・・・・・という数列は,果てしない彼方ではどんな数になっていると思いますか? おそらく「ものすごく大きな数」でしょうね。
では,2,1,1/2,1/4,1/8・・・・・・はどうでしょう。次々に数が半分に減っていくわけですが,果てしなく彼方ではどんな数になっているでしょう? 見えないくらい小さな数,つまり,0になっていそうな気がします。
この分野ではまず,数列のなれの果て,つまり,極限の値について学習します。一般項の極限が済んだら,次に「数列の和」の極限を考えます。
数列を,果てしなく彼方まで足していったら,答えはどうなるんだろう,と考えるわけです。何だか収拾がつかないくらい大きな答えになりそうな気がしますが,意外な結果が待っています。
次に,関数の極限を学習します。これは,数学Ⅱの微分法の最初でも少し学習しています。
関数f(x)=x2において,「xが限りなく3に近づく」と「yは限りなく9に近づき」ますよね。f(3)=9なのだから当たり前です。しかし,この当たり前のことが成り立たない関数があるのです。つまり,「x→3」のとき「y→9」なのに,f(3)=9ではない!という場合があるのです。
これは,関数の連続という話題と関係があります。これまで学習してきた関数はすべて「連続」な関数でした。連続でない関数では,これまでの常識が成り立たないことがたくさんあるのです。
2.何ができればよいか
① 「n→∞のとき,1/n→0」,「x→0のとき,1/x→∞」であることを理解する。
② 不定形 0/0,∞/∞,∞-∞,∞×0を理解し,それを含む極限計算ができるようにする。
③ 等比数列の一般項と和の収束,発散条件を覚える。
④ いろいろな関数の極限を理解する。
⑤ 関数の連続を理解する。
※この分野が苦手な人は,まず以上の①~⑤が出来るようになってください。
3.勉強のポイント
この分野でのメインはlimの計算です。出題される問題のほとんどが「不定形」という形をしていて,独特の変形をしなければ答えが出せないようになっています。これらの練習をたくさんする必要があるでしょう。
また,極限のイメージつくりも大切です。例えば∞+∞はやっぱり∞であるとか,∞-2は∞であるとか,∞×∞は∞であるとか,そういう発想ができる必要があります。
「∞」の怖さ,いい加減さを体験することになるかも知れません。これらは教科書を読むだけではなかなか理解できないものです。分野の初めに登場しますので,しっかり授業での解説を聞いておいてください。